活動目的

病院の理念・方針をもとに患者さまや地域の皆さまから信頼され、安全で質の高い医療、看護、介護ができる職員を育成し、病院全体のレベルアップを図ることを目的としています。

NST委員会

活動報告

【1】目的

沼南会が医療、介護で担当している患者さまと地域の人々の栄養状態改善をサポートすることを目的として医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・管理栄養士・理学療法士・言語聴覚士・MSW・事務職などが協力して活動します。

【2】対象患者の選定

TNTである医師を中心に各職域から1人~2人のメンバーを選出し、週1回の症例検討会および回診を行います。
  • 毎週火曜日 16:30~ カンファレンス、回診

対象患者は以下のように定めます。

  • ア) NSTの一定の基準にて、自動的に判定する場合
    • a)主観的評価(SGA)が、B、Cの患者
    • b)Albが3以下で、栄養障害のある(栄養障害の予測される)患者
    • c)Albが3以下で、栄養障害のある(栄養障害の予測される)患者
    • d)褥瘡がある患者
    • e)高齢の下肢骨折・圧迫骨折の患者(75歳以上を目安)
  • イ) 主治医、またはスタッフから依頼のあった患者

    以上の基準で選ばれた患者をNSTの対象症例とします。

【3】内容

栄養サポートとしては、第一に患者がまず、経口で食事を接種できるように嚥下評価、嚥下訓練などを行います。第二に患者が十分な経口摂取を施行できない場合、適切な摂取方法を選択し、主治医、看護師、管理栄養士、言語聴覚士等と連携して栄養法方の確立を行いスムーズに退院できるようにサポートしていきます。

【4】2017年度 NST月別 のべ対象患者数

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

人数

83 130 104 107 107 102 112

介入数

118 156 128 128 131 140 138
11月 12月 1月 2月 3月 合計

人数

107 116 92 113 116 1,289

介入数

122 151 118 138 134 1,602

人数:延べ介入人数

救急蘇生委員会

活動報告

【1】 目的

沼隈病院の救急医療レベル向上を目的とする。

 

【2】活動内容

4月 新人研修にてAED講習
6月 4階(一般病棟、薬局)AED講習
8月 3階(療養病棟、リハビリ部門)AED講習
10月 2階(老健ぬまくま、本部)AED講習
12月 1階(外来、放射線課、検査課、事務)AED講習
2月 1階(デイケア、地域連携室)AED講習

 

【2-2】日本救急医学会認定ICLS講習

第13回沼隈病院ICLSコースとして1月31日に行った。受講生10名、インストラクター13名で行い、学会にコース認定された。

 

【2-3】院外講習

5月 託児所つばさ職員6名 小児BLSと気道異物
7月 高齢者複合施設まり山南職員17名 AED講習
9月 デイケア内海職員7名 AED講習
11月 グループホームぬまくま職員21名 AED講習
1月 まりホームうつみ職員13名 AED講習
3月 まりホームくまの職員10名 AED講習

 

褥瘡委員会

活動報告

【1】目的

沼南会・まり福祉会における褥瘡対策を討議・検討し、褥瘡治療・予防のレベル向上を目的とする。

【2】活動内容

【2-1】委員会の開催:第2火曜日

褥瘡発生者の評価とケア方法の検討を通して、各部署での問題を全職種で検討しています。
研修会・学会参加後の報告を行っています。

 

【2-2】褥瘡回診

沼隈病院1回/週  老健ぬまくま1回/週
専任医師・看護師・栄養士・薬剤師・リハビリスタッフが各部署で、部署スタッフと共に回診を行います。現場での技術・知識の指導も重視しています。

 

【2-3】全職員を対象とした研修 2回/年

8月 「 Skin tear(皮膚剥離創)に対する処置」
11月「褥瘡予防について― 身体にかかる圧の影響と対策」

 

【2-4】看護師・介護士対象とした研修

6月 新人研修 「褥瘡とは」
9月 介護士勉強会 「スキンケアに付いて」
11月「ポジショニング~ 動きをサポートする」

 

【2-5】在宅褥瘡対策チーム

4月 在宅褥瘡対策チームの立ち上げ
7月 在宅褥瘡管理者資格を2名取得する 江藤医師 藤井看護師

 

【2-6】沼隈病院における褥瘡データ

褥瘡推定発生率

1.67%

褥瘡有病率

5.1%

褥瘡治癒率

26.54%

医療安全管理委員会

活動報告

医療安全管理委員会及びリスクマネジャー部会

  • 1.活動目的
    • 教育委員会とタイアップしながら医療安全意識の向上を目的とした教育研修
    • インシデント・アクシデント報告に基づいた患者に対する安全活動の推進
    • 医療事故発生時における迅速な対応と事故原因調査・究明・分析と再発防止策の検討・立案
    • リスクラウンドを行い、療養・作業環境のチェック、職員のリスク感性向上に努める
  • 2.具体的指標
    • 積極的な「インシデントアクシデント」報告の推進
    • インシデントアクシデント報告の目的
      重要性(原因分析よる再発事故防止)を徹底し、職員の事故防止への啓発を意識させる。
    • 医療安全管理教育
      医療安全に対する基本的な考え方、あらゆる場面を想定して指導教育を徹底し意識向上を図る。
  • 3.2017年度 活動内容
    (1)啓蒙活動
    • 医療安全情報
      「6Rを徹底しよう」
      他山の石「マダニ媒介 紅斑熱について」
      他山の石「野良猫にかまれ感染死・マダニ媒介」
      他山の石「施設での高齢者の死亡」
    • 医療安全研修
      中途者研修「ヒューマンエラー対策の戦略と戦術」
      4月「情報セキュリティ勉強会」
      5月「医療安全の基礎知識」 講師 大塚製薬 岩田康浩氏
      11月「救急医療体制の現状と課題」講師 福山市医師会 横山宏道氏
    • 医療安全標語
      「人命を 預かる覚悟 常に持つ」
      「ヒヤリは いつか 事故になる 思った時に すぐ改善」
4月 年間計画作成 誤認防止マニュアルの見直し
5月 医療廃棄BOXの適切な使用について
事例分析「夜勤帯入院の方の朝食後内服の用量間違えについて」
*与薬時の確認6Rの徹底
6月 MRI室への膿盆の持込み時のインシデント報告について検証・事例分析
7月 事例検討
8月 針刺し事故について「ルールを守って実施しょう」職員へ徹底
麻薬投与手順の見直し
9月 事例分析
10月 事例分析
11月 施設へのラウンド「薬の報告を元に・・・」
12月 針刺し事故あり。ルール手順の遵守・職員へ注意喚起
1月 施設ラウンド後の評価
2月 事例検討
3月 今年度の反省 次年度の計画

 

上記活動を実施し、医療の質の向上と医療現場の安全確保を行っている。

誤嚥防止委員会

活動報告

【1】 目的

沼南会における各施設での誤嚥性肺炎予防、それに伴い起こるADLやQOLの低下を防止していく。

 

【2】構成メンバー

医師・看護師・介護士・管理栄養士・歯科衛生士・言語聴覚士

 

【3】 活動内容

  • 嚥下食の開発、提供、検討
  • 口腔ケアシステムの構築実践
  • トロミ剤の定量化について
  • チームアプローチによる嚥下障害の方へのトータルケア

    現在3名の歯科衛生士により口腔ケアの徹底を図っており一層、誤嚥防止にも力を入れている。

教育委員会

活動報告

【1】 活動目標

全職員が自己の能力をより発展させるために、積極的に研修に参加できるよう働きかける。
また、個々人がコスト感覚を持ち、積極的に経営に参画できるための基盤作りをする。

 

【2】 活動内容

  • 1)教育委員会の開催:毎月第一金曜日
  • 2)全職員を対象とした年間の研修計画の計画と実施
  • 3)中途採用者研修の計画実施
  • 4)各部署における勉強会の推進・協力、定期的な勉強会の企画・実施状況の確認
  • 5)院外研修受講者による伝達講習の計画・遂行

⇒ 結果・評価

1)2)5)に関して

月に1回の委員会を開催し、全職員対象の研修会、新人オリエンテーション、中途採用者研修と概ね計画通り
実施することが出来た。全職員対象の研修に関しては、研修必要項目(医療安全、感染予防、接遇、倫理)
を含み、各委員会の協力も得ながら開催することが出来た。

 

褥瘡対策、感染防止、接遇、経営に関しては外部講師を招き研修を行ったが、どの研修も評価の高い項目が多く充実した内容であったと考える。サービス、接遇に関しての意識、意欲の向上へつながるものとなった。
医療人として大切な「説明と同意」「倫理観」に関しても、太田院長、三上医局長の講師にて臨床の場で生かせる内容の研修であった。質疑応答でのディスカッションも行え意見交換の場ともなったと考える。

 

院外研修者の伝達講習はリスクマネージメント部会による「医療安全~医療事故の分析方法~」、褥瘡委員会による「学会報告」の2回であり、目標は達成出来た。講師としての経験を積む、資料作り、プレゼン方法の技術の習得、向上の為にも今後も意義のある伝達講習を続けていく必要がある。今年度、院外研修には述べ267人が参加している。全体研修時の講師のみならず、部署内での伝達講習の拡充もはかっていく必要がある。

 

KCCSの水永氏による経営についての研修では、沼南会のスタッフとしてコスト意識を持ちながら業務を実施することの意義と必要性、時間の管理の重要性を学ぶことが出来た。今後も個々人がコスト意識をもち、積極的に意見を出し合いながら経営に参加する組織となるよう働きかけていくことも必要である。

 

参加率を向上させるべく、院内ポスターの工夫と掲示、職員への呼びかけにつとめ各研修会に平均118人、延べ1423人の参加であった。アンケート集計は速やかに実施でき、毎月の委員会の中で評価、検討を行うことができた。しかし、その状況を全職員へのフィードバックができていないこと、参加できなかったスタッフについての対応が確立されていないことが課題であり、早急に確実な方法を検討しなければならない。

 

年度末にアンケートを実施し、その結果報告、要望に対する返答も行った。本年度の評価、次年度の希望調査を行いその結果を研修計画に生かしていくとともに今後も興味関心の高い内容の研修を検索、検討していきたい。また、院内認定制度を検討していくことで接遇委員会の設立につなげることができた。院内認定制度に関しては継続課題とする。

 

3)に関して

中途採用者研修に関しては、7月25日、10月17日、1月16日に実施することができた。開催後、受講者より高評価との感想が多く聞かれた。絆、チームワークの大切さを伝える講議であった。今後も研修により長期間の雇用につながるような内容で行っていこうと考えている。

 

4)に関して

各部署における、勉強会の内容、実施状況、研究活動や院外研修参加状況の把握は十分にできていなかった。昨年度も課題であったが、今年度も年度末に一括での確認となってしまった。各部署内の勉強会の推進・協力にも力を入れていく必要がある。

教育委員会(看護師)

活動報告

【1】目標

  • 1.勉強会の出席率50%以上を目指す。
  • 2.知識・技術の向上が図れ、日常業務に活かすことができる勉強会を計画・運営する。
  • 3.業務改善、看護の質向上につながるような看護研究が計画的に進むように支援する。

 

【2】勉強会

日時 テーマ 講師
5月24日 認知症ケア加算いついて 一般病棟 岡田・出水Ns
7月26日 認知症予防~私達にできる事 デイ山南 小畠介護福祉士
9月27日 エンゼルケアセミナー 入浴サービス株式会社 當野氏
11月8日 認知症の薬について 井上薬剤師
1月24日 認知症事例発表 一般病棟 井上Ns
療養病棟 小林Ns
訪問看護 今井Ns
3月27日 看護研究発表会

【3】看護研究

      一般病棟

    • テーマ 「一般病棟におけるがん患者に対する看護師のコミュニケーションについての意識調査」
      花岡美々  新里奈緒 療養病棟

    • テーマ 「診療報酬改定に伴う退院後訪問指導の取り組み」
      小林佳子 藤原史佳 外来

    • テーマ 「当院における外来看護師の接遇について」
      ~自己評価と患者評価を比較して~
      福原みどり 安達雅恵 友野智絵

    教育委員会(介護士・看護補助者)

    活動報告

    【1】教育目標 チームの一員として、専門知識の習得を図るとともに質の向上を目指す

    【2】活動内容 委員会・勉強会 教育委員会

    第1火曜日 13:30~ 勉強会

    【3】勉強会計画

    目標:
    • 1.勉強会には出席するものという意識付け、環境作りを行うことにより出席率60%以上を保つ 。
    • 2.介護をするうえで必要な知識・技術の習得と質の向上をはかる。

    【4】平成29年度勉強会実績

    時期 内容
    4月 プライバシー保護の取り組み
    6月 倫理及び法令遵守
    8月 苦情対応・非常災害時対応
    10月 感染症及び食中毒及びまん延防止
    12月 認知症
    2月 虐待及び身体拘束

    【5】教育目標

    • 1.医療チームの一員として、専門知識の習得を図る
    • 2.自ら提供する当該サービスの質の向上を目指す。

    勉強会の目的

    全ての現任従業者のスキルアップ

    転倒対策委員会

    活動報告

    • 【1】目的

      転倒を予防することにより、寝たきりの原因となる骨折やその他の転倒に伴う障害を予防することを目的とする。そのために、転倒事故に関する原因究明・分析に力を入れ、患者さま・利用者さまの立場に立った予防対策の検討を行う。また、転倒予防に対する職員の評価技術・情報共有能力を向上させ、より良いケアの実践が行なえるよう活動する。

       

      【2】構成メンバー

      医師・看護師・介護福祉士・介護士・リハビリ専門スタッフ等、当院および関連施設の多職種で構成されている。

       

      【3】活動状況

      毎月2回、委員会を開催。症例検討、勉強会、各課題に関する協議等を実施。
      毎月1回、運営会議において委員会活動内容の報告・意見交換を実施。

       

      【4】活動報告

      2017年度活動実施内容 (毎月、症例検討実施)
      4月 認知症高齢者のための転倒予防/興奮状態にある入居者・患者さまへの対応
      5月 落ち着きがなく頻会に立ち上がる方への対応
      6月 伝達講習「高齢者のステップ選択と身体機能及び自己認識との関連」
      7月 認知症高齢者のニーズを知ろう
      8月 SHELL分析について/夜レクの効果
      9月 全国GH大会での演題発表「転倒予防対策を通してのスタッフの意識改革」
      10月 パーキンソン症状による歩行障害について
      11月 在宅でポータブルトイレを拒む症例について
      12月 身体拘束予防ガイドラインについて

    感染防止対策委員会

    活動報告

    • 【1】活動目的

      院内感染は、入院期間の延長・医療コストの増大や、医療従事者への感染など、患者・職員ともに多大な不利益を生じる事になる。そのため、感染対策は最重要課題である。本委員会は、感染の予防・交差感染、再発の防止対策の適切な対応を行い、当院における院内感染対策を確立し、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目的とする。

       

      【2】活動内容

      平成16年より感染対策委員会として活動し、感染対策チーム・リンクナースを組織し、月2回の定例会(ICT委員会)また、各部署へ1回/週のICTラウンドを行い各現場での感染対策活動を行なっている。ICT委員会として各部署、施設、GHなどラウンドを行い実際の対策、評価、指導を行っている。
      毎年、職員及びその家族等のインフルエンザの発生と、それに伴う院内でのマンパワー不足を危惧し、職員サポート対策として、2011年より予防投薬マニュアルを作成し実施した。

       

      データ収集・分析

      行政から連日、届出に関する事項や通達などの連絡があり、対外窓口担当を一本化した。院内の情報だけではなく、松永・沼隈医師会に発信して随時新しい情報を院内LANで活用して閲覧できるようにし、院内感染症サーベイランスにも取り組んでいる。

      ワクチン接種

      インフルエンザ予防策としてほぼ100%のインフルエンザワクチン接種率であった。

      職員サポート対策:タミフル予防投薬

      目的:同居家族によるインフルエンザ発生により職員に罹患、院内での感染拡大を阻止するため、直ちにタミフルの予防投薬を行う事を目的とする。

      不意なインフルエンザ患者との接触の場合、投与方法:タミフル(75mg)1カプセル 1×3日分

      家族内(同居家族)のインフルエンザ発生投与方法 :タミフル(75mg)1カプセル 1×7日分

       

      ■対象者

      • 1.ICT(院内感染対策委員会)より指示された職員(ただし、アレルギーのある者、妊娠中、妊娠の可能性のある者、授乳中の者、服用を希望しない場合は除外する)
      • 2.家族内(同居家族に限り)で発症報告のある職員本人で予防投薬を希望する者はDrの診察、指示の上処方を受ける。(家族内発症の結果は事後でよいので検査結果をICTに提出する)
      • 3.職員本人にインフルエンザと診断、または検査は陰性も明らかな臨床症状があり、インフルエンザの診断にて治療を受ける場合は保険診療となる。

       

      ■診察手順

      • 1.日中は通常どおり受付をし、自費カルテを出し診察を受ける。院内処方箋を発行し薬局よりタミフルを渡す。
      • 2.夜間での対応は、職員の同居家族が受診し、インフルエンザ陽性であった場合、その職員へ予防投薬を行う。

       

      教育―職員指導

      年2回の沼南会全体勉強会の実施。院外よりも各施設に地域連携より連絡をしてもらい当グループ以外にも参加を呼びかけている。その他、各施設への(老健、GH、託児所、複合施設)訪問・指導も実施し、施設内での勉強会にも参加している。

       

      アウトブレイク時、アウトブレイクの恐れのある時の対応。

      院内で感染経路の不明なインフルエンザの発生が2件以上あった場合に実施するマニュアルを2012年より作成実施している。

      • 1.グレードを赤・黄・青の3レベルを設け、それに伴い対策を実施。
      • 2.赤(レベル3)は面会等の病院内の入室を完全に制限するもので、2012年・2014年に実施。

       

      今後の対策

      インフルエンザ対策で最も重要なことは「標準予防策+飛沫感染対策」であり、日ごろからどれだけ遵守することができるかと、職員の異常時の早期報告が重要であり感染拡大の程度が変わる。そのため継続した教育と啓発活動が大切である。